ずるいよ先輩、甘すぎます








そっか、そうなのか。



「エナちゃん、私いちばん応援してるからね」

「ありがと。良い報告したいから頑張る……って言っても投票結果は私じゃどうにも出来ないから、春先輩が優勝しちゃうかもしれないけど」





エナちゃんと寛太先輩の未来のためにも、
無駄に当たるジンクスの名誉のためにも

​────私と三琴先輩の幸せのためにも。


エナちゃんと寛太先輩の優勝を願うばかりだ。





「ていうか紘菜、三琴先輩と一緒に回るんでしょ?待たせてるんじゃない?」

「えっ、あ!」

「早く行ったほういいよ。三琴先輩有名人だし、油断してたら女の子に言い寄られちゃうかもよ」

「それは困る……!私行くね!」





「楽しんでね」と手を振ったエナちゃんも、どうやら寛太先輩と回る約束をしているらしい。



エナちゃんの話は ミスコンの結果が出て、文化祭の全てが終わったら聞くと約束をして、私は慌てて更衣室を出た。