「そんなジンクス信じてないよ。だってほら、三琴先輩と春先輩だって別れたし」

「け、けど……エナちゃん、寛太先輩のこと、」

「うん、好きだけど」




───好きなんだよね?



そう言おうとした私の言葉を遮って、エナちゃんが答えをくれた。


分かっていたことなのに、いざ本人から言葉にされると言葉が出てこない。




「所詮ジンクスだよ。私は春先輩がどう動こうと三琴先輩と紘菜が幸せになると思ってるし、もし寛太先輩と春先輩が優勝しても、私は寛太先輩に告白するって決めてる」


「えっ」


「だけどもし、…もしね。寛太先輩が1位で、私も最終結果で1位になれたら、そのジンクス信じてあげてもいいかな」



エナちゃんが、寛太先輩に送られてきたであろう写真を見せてくれた。


ミスコンの速報が書かれた紙を撮った写真のようで、そこには、たった今エナちゃんから聞いた通りの結果が書かれてあった。