ずるいよ先輩、甘すぎます








「…これ以上はやめとこ」



甘いキスに酔いしれて脳がクラクラしてきたころ、三琴先輩はようやくくちびるを離すと、そう言って私の身体を抱き寄せた。



鼻腔をくすぐるだいすきな香り。
耳に心地よく届く声。



もうずっと、好きがあふれて止まらない。




「ここ、学校で良かった」

「…、え」

「学校じゃなかったらさ、俺ぜったい止まんなかった」




はは、と眉を下げて先輩はわらった。



止めなくていいのに、と思いつつも、たしかにここは学校で、教室で、いつ誰が入ってくるかわからないということを思いだして言うのをやめる。


冷静になって考えると、キスをしていたところを誰かに見られていたら気まずいどころの話じゃないな……と少しだけ反省した。