毎年、学年末になると、合格記と呼ばれる薄い冊子が1,2年生に配られるのだ。
希望進路に合格した人の中で、先生たちが直々にお願いして、受験で大変だったことや志望動機などを簡略に書いてもらうらしい。
三琴先輩は成績も良かったし、なにより有名人だし、先生からお願いされるのもうなずけた。
察するに、この合格記を書き終えて、私を待っているうちに眠りについてしまったのだろう。
すやすやと気持ちよさそうに眠る彼。
綺麗な顔は寝ていても健在で、思わず見惚れてしまいそうだ。
白くてさわり心地の良さそうな肌にそっと手を伸ばしたのは、きっと無意識だったのだと思う。



