眠る男子生徒───三琴先輩のもとに向かう。 彼以外だれもいない教室では、私の足音さえも鮮明に響いていた。 机の上で腕を組んで、それを枕にするように眠っている。 腕の下敷きになっているプリントには“合格記”とあり、男の人にしては綺麗な筆跡で〈3-C 古賀 三琴〉と書かれた名前がのぞいていた。 先生からの頼まれごとってこれのことか、とすぐに納得する。