'幼なじみ'というのは親同士も知り合いであるケースが多い。そして、お互いのことをゴリ押しする傾向もある。
少し夢見がちなお母さんは、当たり前に翔斗と私が結婚すると思っていた。そしてその娘である私も、当然の事ながらそう思っていたのだ。
「お母さんだったら紘菜一択よ。顔かわいいし」
「顔」
「お母さんに似て、ね。自信もって紘菜」
「えーと、うん。50近くのお母さんが自分のこと可愛いって言ってるの聞く娘の気持ちになって?」
例え顔が良くたって、1番振り向いて欲しかった人は私を好きになってくれなかった。