. . 「ていうか春、今年もミスコン出るんだってね」 「…あー、うん。一応」 「私の後輩喜んでたよー、『春先輩は国公立コースだからもしかしたら文化祭には出ないかもと思ってダメ元で声かけたから、まさかオッケーしてもらえるとは思わなかったんです』って」 「喜んでもらえたならよかったよ」 ───そんな声が聞こえたのは、トイレをすまして個室のドアをあけようとしていた時のことだった。