ずるいよ先輩、甘すぎます








遡ること10分前。



学校の近くにあるショッピングモールにたどり着いた私たちは、無事委員長に頼まれた通りの色の絵の具を買うことができた。



出口に向かって店内を歩きながら、絵の具が入った袋をぶら下げたエナちゃんが「あ」と声を上げる。




「100均で買いたいものあったんだった。ついでだし買ってきてもいい?」

「しっかりサボってるねエナちゃん」

「ついでよ。駅の100均よりここの方が品揃えいいんだもん」

「たしかに」





効率主義のエナちゃんは、どうやら個人的な買い物も済ませてしまうつもりらしい。


とはいえ、私もトイレに行きたかったのでその旨を伝え、エナちゃんとはトイレの正面にあるベンチで再び待ち合わせることになったのだ。