クラスの文化祭実行委員の女の子には、「不気味な感じで立ってるだけでいいよ」と言われたので引き受けたけれど、おばけ役の人はメイクの都合などもあるので休憩に入るまでの時間が他のクラスメイトに比べて長くなっているのだ。



ロングホームルームが始まってすぐの時できあがったシフトを見せてもらったけれど、私は午前中は通しでお化け役をやらなければならないみたいだったし……やっぱり裏方が良かったなぁ。





「てかエナちゃん、今更だけど合わせる衣装ないのになんでついてきたの?」

「やることなくて暇だから」

「さぼりじゃん」

「その言い方はやめて」

「看板作り手伝えばいいのに…って、あ。エナちゃん実は不器用なんだったよねごめん」

「ねえバカにしてる?」

「ごめんねエナちゃん睨まないで……」



衣装をぬいで再び制服に着替えた私と、暇つぶしについてきてくれたエナちゃんは、そんな会話をしながら教室に戻った。


教室では看板づくりが行われていたので、教室のドアを開けると、なんとなく美術室と同じ匂いがした。