ずるいよ先輩、甘すぎます







……ほっ。


って、いや、ホッてなんだ。



…たしかに、三琴先輩のことは信用しているし、春先輩とじつはまだ付き合っていました なんてオチがあったらたまったもんじゃないとも思うけど。




「けど喧嘩してたっていうか、うーん……あんまり仲良さげに見えなかったな」




真渡くんが顎に手を当てて唸る。



ーー仲良さげに見えなかった、



それは、春先輩が本当はまだ三琴先輩のことを引きずっているからだろうか。

そのことが彼氏さんにバレて揉めているとかだろうか。


私はその様子を見ていた訳では無いけれど、真渡くんが嘘をついているとは到底思えない。


悪い予感ばかりがして胸のざわつきが止まらなかった。