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「なるほどねー」
私が悩んでいることをすべて伝えると、彼は抑揚のない声で相槌を打った。
客足は相変わらず少なくて、コンビニのバイトってこんなに楽だったっけ?と錯覚すら起こしそうになる。
「…真渡くん的にはどう思った?」
「どうもなにも、彼氏チキってるだけでしょ」
「……、そうかなぁ」
チキってるだけって、本当に?
三琴先輩は、私に触れるのを怖がっている?
エナちゃんにも同じようなことを言われたけれど、それでもやっぱり納得できなかったのは 私が自分に自信が無いから、だろうか。
「自分に魅力がないって思ってるの、多分大槻さんの思い込み。これは俺の自論だけどさ、男って多分2タイプあると思うんだよね」
「2タイプ?」
「そ。好きだとかお気に入りだと思ってる女の子にすっげえ触りたがるタイプと、大事すぎて触れないタイプ。俺が思うに、大槻さんの彼氏は後者だろーね」
つらつらと言葉を並べた真渡くん。
チャラチャラしているくせに真意をつく言葉を放つ彼に、私は呆気に取られて何も返事が出来なかった。



