ずるいよ先輩、甘すぎます







2回目の今日。



私は課題をしていて、三琴先輩は寛太先輩と一緒に行く予定だという卒業旅行の行き先をスマホで検索しているみたいだった。



三琴先輩と2人きりになることには慣れ始めてはいたけれど、お昼休みや下校中に比べて距離は近いし、緊張しないわけはない。



翔斗とは一度も触れ合うことのなかった距離をもっと知りたい、と踏み込んだ未来を想像してしまう自分に気づいてすこしだけ恥ずかしくなった。



けれど、そんなことをおもってるのが私だけだということもなんとなく察していた。


三琴先輩は、私と触れ合うことをあまり重視していないような気がする。


付き合って2か月たつけれど、帰り道に手をつなぐのは稀だ。キスをしたのだって片手で充分収まるくらい。



なにより、1週間前に部屋を訪れたときに 指先1本も触れ合わなかった事実がそれを物語っていた。