付き合いたてとは言え、支障が出てはいけないと思っていたので、夏休みが開けてから受験が終わるまでは、昼休みに一緒にお昼ご飯をたべることしかしていなかった。



一緒に帰るのも、送ってもらう時間も申し訳ないと思ったので、その旨を話して三琴先輩と相談した結果、週に1回だけ一緒に帰ることに決まったのだ。



そんなスタイルを1か月ほど続けていたのだが、受験が終わったので久しぶりにゆっくり会いたいと、先輩が家に招き入れてくれた。


翔斗以外の男の人の家に入るのは当然のことながら初めてだった。



放課後、緊張を抱えながら私と先輩は下駄箱で待ち合わせをして、一緒に三琴先輩の家にいった。



他愛もない会話をして、帰り道で立ち寄ったレンタルショップ店で映画を借りて帰った。



約2時間の映画を隣り合わせに座って見た。

その日、手や唇が触れ合うことは1度もなかった。




───それが、1週間前の出来事。