2人とも一般的にすごく良さげな人だったけれど、エナちゃんは“なんとなく”で恋を始めることが多いので、結局両方ともエナちゃんが相手のことをちゃんと好きになれなくて別れちゃったんだっけ。
寛太先輩とどういう距離感で居るのかは分からないけれど、親友の勘で、エナちゃんが寛太先輩に興味を示しているのはなんとなくわかった。
エナちゃんと寛太先輩、どこか雰囲気も似てるしお似合いだと思う。
エナちゃんには常日頃からお世話になっているし、今度は私がエナちゃんの恋路を応援したい。
「よくわかんないけど何があっても私はエナちゃんを応援するよ!」
「はいはい。授業はじまるよ」
「次なんだっけ」
「古典」
「うわー眠くなるやつだぁ」
そんなことを思うのは、夏のおわりのことだった。