ずるいよ先輩、甘すぎます








先輩のまっすぐさが私は好きだ。

先輩は照れて顔を逸らすけれど、言葉をもらう私のほうが恥ずかしいのに、と思ったりもする。




いつみてもきれいな顔だ。


ペンを握る手は細くて長いのにごつごつしていて男の人を感じる。

「紘菜ちゃん」って呼ばれるたびに愛おしさがつのる。




「……いえ、私も、なので」

「ふ、そっか。うれしい」



付き合いたてだからかもしれない。まだお互いのことをたくさん知らないからかもしれない。



これから先、三琴先輩と付き合っていく中で、喧嘩したり嫌な部分が見えることがあるだろう。



けれど、それでも先輩と別れる未来は想像したくないな…と、漠然とそんなことを思った。



​───結局、その日はバイトの時間ぎりぎりまでファミレスでお互い勉強したり課題をしたり、時々息抜きで他愛のない会話をして笑い合ったりして過ごした。