「バイト前あるのに呼び出してごめんね」
「いえ、」
……本当はすごく会いたかったから大丈夫です、
こころのなかでそう返事をして、「寝る以外に予定がなかったので平気ですよ」とあまり可愛くないことをいう。
だれかと付き合うこと自体はじめての経験なので、なにが正解とか不正解とかもあまりわかっていないけれど………あんまり自分の気持ちを正直につたえすぎてもだめなのかな、とかいろいろ考えてしまい なかなか思うように言葉にできない。
“会いたかった”
たったそれだけを言うのにこんなに勇気がいるなんて、三琴先輩を好きになっていなかったら知ることもなかったかもしれない。
けれど、そんな私に三琴先輩はいうのだ。
「勉強…ってさ、すごいずるくていい口実、だよね」
「え?」
「……ほんとは俺が紘菜ちゃんに会いたかっただけ。来てくれてありがと」



