「俺、完全に当て馬」
「…え」
「突如元カレと運命の再会。2人はそのままあの頃を懐かしんでハッピーエンド」
「え、」
「ど?笑えるっしょ。1年以上付き合ってたのに呆気なく元カレに取られちゃうとか」
ああ、だからか。
だから'同じ匂い'がしたのだと、彼の今の言葉を聞いて納得した。
「三琴先輩、これ、よかったら」
余っていた餃子を1皿まるごと差し出す。
「え?くれんの?」
「足りないって言ってたので。私たちもうお腹いっぱいで」
「や、有難いけど…なんできみらこんなに餃子頼んでんの」
「やけ食いです。全部いけると思ってたんですけど無理でした」
「はい?」
「…私も振られたんです、今日」



