「…あ、返事はまだ……」
「っ好きです」
ほとんど反射的に出た言葉だった。
三琴先輩の声を遮って零れたそれに、三琴先輩は「え」と声を洩らす。
返事を待たせる必要なんてない。
だって、私も同じだったから。
過去の恋愛を引きずっていたのは最初のうちだけで、だんだんとそれは枷となっていた。
三琴先輩のことを好きだと気付きたくなかったのは、翔斗の時みたいに、散々期待しておいて想いが通じ合わなかったらつらいから。
同じ失敗はこわい。
だから人は皆、過去を糧に成長するのだと思う。
そしてどんどん前に進んでいくのだ。
「私も、っ」
泣きだしてしまいそう。
震える声が情けない。
だけど、それでも伝えなくちゃ。
「私も、三琴先輩のこと、すきです」
───この気持ちの答え合わせは、もう十分だ。



