きみがため

「コントみたいな劇が嫌なら、意見言って」

「はい、はい!」

桜人の声かけで、勢いよく、お調子ものの斉木くんが手を上げた。

「タピオカ屋は? タピオカドリンク作ってカフェみたいな感じにしたら、盛り上がると思うんだよね」

「タピオカ屋ね、いいと思う」

桜人の賛同の言葉を聞いて、斉木くんがうれしそうにしている。

書いて、と桜人に小声で言われ、チョークを手渡された。

私は小さく頷くと、“出し物候補”のうしろに“タピオカ屋”と書く。

「他に意見はある?」

あちこちから、ぽつぽつと手が上がった。

「みんなでダンスとか」

「お化け屋敷」

夏葉も手を上げて、「将棋カフェなんてどうかな?」と恥ずかしそうに発言していた。

先ほどまでのやる気のないクラスとは思えない、変貌っぷりだ。

サクサクと進行を進めていく桜人にも驚かされる。