きみがため

七月に入っても、冴えない天気の日々が続いていた。

どんよりとした曇り空でも、気温だけは真夏並みに高い。

じめじめと湿度の高い教室内は、期末試験も近づいているせいか、うだるようなやる気のなさに満ちていた。

その日、学活で、十月初めにある文化祭のクラスの出し物を決めることになった。

夏休みは、部活や補習なんかで皆忙しく、なかなか時間が作れないだろうと考えてのことらしい。

今から動き出した方が安心だからと、先生は言っていた。

「それでは、まずは、出し物を決めたいと思います。やりたいことがある人はいますか?」

人前で話すのは苦手だけど、私は腹をくくることにした。

ドキドキしながら、教卓の前で声を出す。

だけど案の定、教室はシーンと静まり返っていて、桜人が黒板にチョークで字を書く音だけが響いていた。

「あの……。なんでもいいので、意見を言ってください」