結局断り切れず、私はその足で、文芸部の見学に行かされることになってしまう。
「文芸部か……」
部活になんて、正直興味がない。
中学に入ったばかりの頃は、テニス部に入ってみたけど、結局思うように参加できずラケットを買う前にやめてしまった。
それに、文芸なんてますます興味がない。
読書は好きな方だけど、ものすごく読むというほどでもない。
乗り気になれないまま、部室の集まる、旧校舎の三階に向かう。
文芸部は、廊下の一番奥にあった。
物置と見まがうような、古めかしい丸型のドアノブのついたドア。
ドア板の上半分に埋め込まれた擦りガラスのさらに上部に、『文芸部』と書かれたプレートが掲げられている。
ドアの向こうはシーンとしていて、人の気配なんてまったくなかった。
ひと呼吸して、コンコンとドアをノックする。
間もなくして「はい」と微かな声が返ってきた。
「あの。増村先生に言われて、見学に来ました」
ドア越しに緊張気味に声をかけると、「入ってください」とまた微かな声がした。
「失礼します……」
「文芸部か……」
部活になんて、正直興味がない。
中学に入ったばかりの頃は、テニス部に入ってみたけど、結局思うように参加できずラケットを買う前にやめてしまった。
それに、文芸なんてますます興味がない。
読書は好きな方だけど、ものすごく読むというほどでもない。
乗り気になれないまま、部室の集まる、旧校舎の三階に向かう。
文芸部は、廊下の一番奥にあった。
物置と見まがうような、古めかしい丸型のドアノブのついたドア。
ドア板の上半分に埋め込まれた擦りガラスのさらに上部に、『文芸部』と書かれたプレートが掲げられている。
ドアの向こうはシーンとしていて、人の気配なんてまったくなかった。
ひと呼吸して、コンコンとドアをノックする。
間もなくして「はい」と微かな声が返ってきた。
「あの。増村先生に言われて、見学に来ました」
ドア越しに緊張気味に声をかけると、「入ってください」とまた微かな声がした。
「失礼します……」



