きみがため

新聞を持つ手が、どうしようもなく震えていた。

自分が書いた文章が、人に認めてもらえた。

自分なんて、弱虫で、なんの役にも立たない人間だと思ったけど、必要とされることもある。

その事実は、私の考えを変えた。

文章の力は無限だ。

無数にある言葉を、唯一無二の形に連ねることによってできた文章は魂を持つ。

私に、夢なんてなかった。

この先も、母を支え、弟を支えて生きて行かなければいけないのだと、漠然と思っていた。

でも、気づいたんだ。それは言い訳に過ぎないんだと。

自分の生き方を見つけられないでいることを、私は家庭環境のせいにしていた。

光に、母にすがっていたのは私だ。

でも、今は違う。挑戦してみたいことがある。

夢なんていう大それたものではないけれど、歩んでみたい道がある。