きみがため

「あ、そうだった!」

静まり返ったのも束の間、唐突に田辺くんが声をあげる。

「これ! すごいじゃないですか!」

目の前に新聞を差し出され、面食らう。

「え、なんで新聞?」

「知らないんですかっ!? ここ、見てくださいよ」

田辺くんに示された欄に、視線を馳せる。

そして私は、目を見開いた。

「特別賞……?」

そこは、夏に開催された地域のエッセイコンテストの結果の欄だった。

大賞、準大賞、特別賞、それぞれ一名ずつ。

名前と作品が、紙面を大幅に使って載っている。

そして特別賞のところには、私の名前が、夏に書き上げたあのエッセイとともに掲載されていた。

「嘘……」