愛は惜しみなく与う⑥

パッパと作戦を話す泉と志木さん

どうして2人には、この水瀬のことが理解できたんだろう。
あんな少ない情報で…どうして敵の心に触れれるんだろう。


「結局なんだ?サトルに2人とも利用されてたってこと?」


全くわからないと苦笑いの響
いや、俺もだよ。わからないよ。

泉も志木さんも、水瀬と妹の関係や環境は知らないはずだ。


けど、少しの情報から読み取って、自分の知ってる知識と照らし合わせて、そして、その鋭い洞察力で、当ててしまうんだ



「なぁ、なんで分かったの?」

「ん?何が」

「水瀬と妹のこと」

「あいつが自分で、サトルが妹のことを追い込んだって的なこと言ったろ。だからだよ。サトルのおかげで死ぬことができたって言った時の水瀬の顔……納得してない奴の顔をしてたから。

こいつもサトルに振り回された1人なのかなって思っただけ。後はテキトーだ」


力なく笑った

そっか


泉だから分かることなのかな


「そんな顔すんな。後少しだから。怪我しないようにしろ」


ポンと大きな手が頭に乗った