愛は惜しみなく与う⑥


「あぁ、そうだよ。俺たちは『死にたがり』だったよ。2人で死のうと思って、あの集団自殺のサイトを作った。集まった人は大勢いた。その人たちと…愛も俺も一緒に死のうと思ったのに…


死ねなかった


何人も、自殺する人を見送った。一緒に死ねずに。それで俺は気づいた。あぁ、俺は本当は死にたくないんだって。
でも愛は違った。
本当に死にたかった。でも、まだ足りないって。死にたくなるほどの絶望が足りないって」


そのまま水瀬はその場にしゃがみ込んで、吐いた


次に誰が動くのか


皆んな様子を伺ってたと思う



こういう時に、いつも通りなのは、本当にすごい事だと思う



「……立てよ、俺たちをここで足止めしたいならな。その気が失せたなら、そのままそこでくたばってろ」



泉は、この話を聞いて動揺なんてしていないようだった。



「お前らの事情なんて、知らねぇんだよ。俺たちは…杏は……


そんな死にたくなる状況でも、必死に自分らしく生きたいと思ってんだよ!!!!」



それを身勝手な理由で邪魔していい理由なんて、どこにもねーだろ