愛は惜しみなく与う⑥


「水瀬愛は、貴方の妹で間違いないですね?」

「……愛に辿り着いたんだな。この短時間ですごいよ。そうだ、愛は俺の大切な妹」


愛おしそうに、水瀬は妹の名前を呟いた。ぼーっと何か一点を見つめて。


違和感しかない
大事な妹なら…どうして?あのアルバムに写る水瀬愛は、絶望的な顔をしていた。女として1番嫌であろう扱いをされていた。それを、きっとこいつも知ってるはずなのに。

そして、あの事件で、死んだんだろ?
杏の妹の代わりに…その考えがちがうのか?

大事なら…
あんな風にサトルがしたなら…どうして水瀬はサトルの側にいるんだ。



「貴方の妹は、鈴の代わりに亡くなりましたか?」


志木さんは確信を得る為に、直接的な言い方をした。回りくどさなんてない。

ただ嘘はつかせない。そんな雰囲気を感じた。

でも水瀬は、志木さんの言葉を聞いて、不気味に笑った


「何を訳の分からないことを。鈴のために、愛が死んだ?頭がおかしいのか?愛は、俺の妹は、自分のために死んだんだ。誰かのためじゃない。死にたくて、死にたくて…ようやくサトルのおかげで死ねたんだ」


サトルのおかげ?てゆうか、自分のために死ぬって、意味がわからない。
ようやく死ねた?どういうことだ…


自分の妹が死んだんだぞ?



「集団自殺のサイトを見つけました。あれと関係は?」