愛は惜しみなく与う⑥

やっぱり時間稼ぎか?
水瀬と一緒に数名歩いてくる


「人間とはとても脆い。操りやすくて驚いてしまう。それは君達によく当てはまる。感情的で情に熱く…仲間思い。くくく…本当に簡単だ。まさか勢揃いだとは思わなかった」


ちんたら話すから、何が言いたいか分からねーけど、馬鹿にされてることはわかる。

でも俺らが怒ることじゃない


俺らは泉を支える役目だから



「操られていない。自分の意思でそれぞれ来ている。操った気になってるのはお前だ」


手をぐーぱーぐーぱーと開いたり閉じたりして泉は自分の手をじっと見ながら話す。

そしてギュッと握った



「鼻と顎、治りかけか?バランスよくなるように、反対側からもやってやるよ」


片方の口角をあげて、泉が笑った
その泉の煽りを聞いて……

水瀬の笑顔が固まった。

まだ鼻の骨は完璧に元通りではないのか、何かで固定されてるように見える。
顎もそう…

水瀬は泉にボコボコにされたままだったな



「お前が1番気に食わないよ」


水瀬の声のトーンが下がる



「ふーん?先に一発殴らせてやろうか?」



今日の泉は、敵に回さない方がいい

水瀬の顔が歪んだ