愛は惜しみなく与う⑥

でも、どこにいても、記憶は消えへん

忘れることなんてなかった

だからもう逃げへん



「あたし本気や。全員相手してここを出て行く。みんながあたしの過去に立ち向かってくれてるのに、あたしだけ逃げるのは卑怯や」


やらやれとため息をついた雄作さん

雄作さんは情で訴えてどうにかなる人ではない。この人が決めたら、そう、やねん。

ちょっとやそっとじゃ意見は変えない


そして今もそう


雄作さんは、あたしが気持ちを訴えても、表情一つ動かさなかった。

雄作さんは、あたしが行くべきでないと思ってるからや。


芝生の庭に、こんな夜にいかつい男に囲まれて…
異様な空気や


でも雄作さん以外、少し不安そうな顔をしてるから…まだ勝ち目はある。
みんな大事な家族やし、殴るとか蹴飛ばすとかしたくないけど。


「あたしはするべき事をする」


スッと構えれば、周りのみんなはピリッとした空気になり、雄作さんは、片手を額にあてため息をついた


おさえろ