愛は惜しみなく与う⑥

みんなの心に傷を負わせたくない



「あたしはもう、ええねん。耐えれるから。何があってもこれ以上心はボロボロにならへん。でもみんなは違う。違うよ」


あたしを守るって、助けてくれるって言ってくれた優しい人たち。
ここまで追いかけて来てくれて、あたしに笑顔をくれる人たち。


「あたしが守らなあかん人たちやねん」


これ以上失いたくない



「まだみんなにごめんって言ってない。昴も美奈子も敦子も…みんなに言ってない。あの時みんなを守れれんかった分、今度は、今度こそあたしは!!!大切な人を傷つけたらあかんねん!!どいて!」


あたしを見下ろすように睨みつける雄作さん

こわいよ

その威圧感で泣いてしまいそうや


でも早く行かなあかん



「お前の気持ちは分かってる。でもな、俺たちだって本気だ。お前は娘だ。俺らの大事な。俺らにとっちゃお前にも傷ついて欲しくないんだ」


だから

雄作さんがそう言うと

東堂組のみんなが家から出てきてあたしの周りを囲む



絶対行かせないと


そんな決意を固めた顔で見てくる