愛は惜しみなく与う⑥


「……一つ言っておきますけど、ここまでくれば、俺は杏に隠すことは何も無い。妹のことも全部伝えますよ」


こう言える泉は、本当に強いと思います。

私は…杏様に真実を話す勇気がありません。確実に傷つくのも…悲しむのも…苦しむのも分かります


だって…この最悪な事件が、自分の復讐相手と大事な妹によって仕組まれていた事だなんて…



言えません
きっと杏様の顔を見たら言えなくなってしまう


「泉は怖くないですか?杏様が…どうなるかわからない。妹の仇を取るためにサトルに復讐を考えて自分の人生を捨てたんですよ?」


「俺たちが味方で居てあげなきゃ。俺たちがいるから大丈夫だって、伝えなきゃダメだと思うんですよ。隠して守るなんて、都合良すぎる。
どこかで知ってしまったら?妹に会ってしまったら?サトルの正体に先に気付いてしまったら?
その時……杏が1人の方が、俺は怖い。何かあっても、俺たちが居たら…守れるでしょ?

だから志木さんも、何か起こるときに、杏の側に居れるようにしてたんでしょ?」



泉……違いますよ