愛は惜しみなく与う⑥


「東堂家の執事のスーツは、私のを着てください。背丈も同じくらいなんで、着れるでしょう」

「…俺、礼儀とか…何も出来ないけど」

不安がる泉
まぁそうですよね。執事になれなんて、突然は厳しいですよね。

でも私の代わりに…となれば、雑用などはさせられないと思いますし…


泉は不安そうですが、なんとかなるか。とも言う。
そうですね

泉なら何とかしてくれそうです



「杏を…見つけて連れ出すのは、やばい?」

「さすがにね…誘拐になるので、貴方殺されますよ?」


もう、次こそは蘭様が暴れ狂うことになるでしょうしね。

そうですね


「如月冬馬がサトルだと分かった今、鈴の誕生日会までにどうにかする必要があります。もしかしたら……サトルが何かを仕掛けて、既に杏様がその事実を知ってしまっている可能性もありますが。

何にせよ…杏様を1人にしたくないんです」


きっと杏様は一人で泣いています
不安で、支えになるべきはずの私は、側に居ることができない。

本当に不甲斐ない