「そうですね。逮捕しきれていない人も居ますので、その可能性は高いですね。でも、杏様には手を出さないのも事実……誰かが居て、人質に取られれば、それこそサトルの好きな展開なんでね…」
これに関しては、頭で考えても無駄です。
予想外のことが起きるなんて、ザラにありますので。
「とりあえず、あなた達3人は、何処か泊まりますか?ホテル用意しましょうか?」
『いや、ほんまやめて?もう知ってるけどさ、志木くんと杏ちゃんがお金持ちなん、まだ違和感あるねんから!』
『そーだぞ?お前はまだしも、杏がお嬢さまっての、未だに信じたくないんやから!』
『ほんとにそうよ。あんな喧嘩上等、拳で語るぜ!!みたいな女なのに…お嬢様って…』
ふふ。拳で語るは笑ってしまいますよ。その通りですけどね。
肩書きがそうなだけで、皆様が知ってる杏様が、本当の杏様ですけどね。
「何かあっても困るのでホテルを取りましょう。2部屋取っておくので、東堂の名前で予約しておきます」
『1部屋でええよ。3人で泊まるし』
「相変わらず、あなた達のその感覚のせいで、杏様も…はぁ」



