愛は惜しみなく与う⑥

泉は私の前にきて、肩を強めの力で押す

私はよろけて踏ん張ったときに、思いっきり傷口に負担がかかった

思わず声が出た


傷口をえぐられる痛み


「ほら。少し力を入れるだけで、そんな風になるんだ。志木さんはここで待っててください」


「…はい?何をおっしゃるんですか。今無茶しないでいつするんです」


これ以上のことが起こることはもうないと思います。だから、今が…頑張り時なんです


「杏様が笑って未来を過ごすために…あなたがそう言ったんでしょ」


そう問いかけるが泉は渋い顔をするだけ

止めても無駄ですよ。真実を知った今、守らないと。杏様はもう……


「だからですよ」

「え?」



「杏が笑ってる未来に、貴方が居なきゃダメだ。志木さんが居ない未来なんて、考えれない。杏には志木さんがまだ必要ですよ。

志木さんが居なくなったら、杏は、何が解決しようが、笑ってなんてすごせない。杏の事を大切に思うなら…笑える未来を思い浮かべるのなら、無茶するのは今じゃない」


真剣な顔の泉に諭される

杏様の未来に…私は…