志木さんの容態を見てもらおうと、助國さんを呼んだ

そして助國さんは、志木さんをみて、白目を向いていた


「何したらこんなんなるんじゃ!ただの喧嘩じゃねーだろ」

「…今すぐ動ける程度に治療してください。痛くてかまいません。血が出ないようにしてくだされば、それで結構です」


ワーワー言う助國さんの事はスルーして、志木さんは、助國さんのヨレヨレの白衣を縋るように掴んだ

無事だからよかった。そう言えるような状態でもなくて…生きていたから良かったけど、治療が遅ければ手遅れの可能性もある


「怪我を治すくらいで、俺は手術やらねーぞ?ましてや、一般のやつが払える金じゃねーよ」


「お金ならあなたが一生遊んで暮らせるお金を、指定してくれた額振り込みます。逆に、こんな処すぐ消し去ってしまえるくらいの権力がありますからね。とりあえず、何度も言うように、すぐに動けるくらいにして下さい」


異様だった



血だらけの志木さんは、助國さんを脅迫している。その状態で圧をかけられても怖くはないはずなのに…

あまりにも切羽詰まった志木さんの様子をみて、俺も助國さんも、その圧に圧倒された