愛は惜しみなく与う⑥


「正直、キツいもんいっぱいあった」


敦子は服の裾をギュッと握りしめる。そうだよな。女にとっては辛いものが多かった。

1人で探してやれればよかったんだけど。



「朔くん、あたしからは出せへん」


敦子が俺に見つけたものを渡してくる。
俺だってこんなの…見たくない。


理科室らしき所で見つけた、ボロボロのセーラー服。
無理矢理破かれた跡もあるし、所々に血もついている。

コレがなんなのか
ただ誰かの忘れ物で、偶然破れて、偶然血がついただけならいいけど。


「これは……青海学園の制服?」


昴さんは、制服を見て眉をしかめた。青海学園。それは、関西のお嬢様学校のような女子校らしい。

そんな女子校の制服が、こんなところにあるわけ無いよな。


「あとはこれ…」


1番見せたくなかった。誰にも見せたらダメな気がする。

こんなもの……最低だ



何かアルバムのようなもので、そこには自分の口からは説明しがたい、そんなものが詰まっていた。