愛は惜しみなく与う⑥

泉に殴られて曲がった鼻は、あの日のまま


「おーなんです?勢揃いですね。薔薇の幹部も居るじゃん。それに、東のガキも」


あの日以降、助國さんのところへずっと水瀬を監禁しとける訳でもなく、動けるくらいになったら、水瀬は出て行ったらしい。

どうにもできないよな

証拠がなかったから


「朔、慧、こいつは?」

「サトルとかなり近いスコーピオン。あの日のことも詳しいし、杏を1回拉致って…」


言い終わる前に昴さんが動いた

それに合わせて、後ろで黙っていた敦子も動く。


「おっと、さすが薔薇は荒いな」

昴さんの拳をかわして、敦子の蹴りをかわす水瀬。

泉が殴り飛ばして、その後をみてないから、水瀬がここまで動ける奴だと知らなかった。


「おい、朔、慧。こいつはなんとかするから、そこ探せ」


昴さんに言われた通り慧と扉を開けようとしたとき、水瀬が俺たちを止める



「開けないほうがいいよ?知らない人が来たら、爆発して、中の証拠もなくなるよ?」


デタラメな…