愛は惜しみなく与う⑥

母上の姿が見えなくなるまで無言


そしてやっと息が吸えた


「はぁぁぁあ〜ごめんやで?ほんまに鈴以外にはあんな感じやねん」

「いや、大丈夫」

「母上に会ったのは初めて?」

「ん〜見かけたけど、話しかけられたのは初めて。あんまり使用人のことに興味ないんだな」


そう思うよな
ほんまに、どうしてしまったんやろか


「ちょっと、おかしいねん、最近。離れてる時間が長すぎたかな。泉は志木の代わりってことになってるんやろ?まぁ、この家の中で志木の信頼ってすごいから、その志木が代わりに寄越したのが泉ってのもあって……何かゆうてくる人おらんのやと思うけど」


それにしてもコロコロ変わりすぎ


「深く関わる人をクビにしまくってるって聞いた」


「聞いた?誰に?」


「志木さんのお母さん」


なんと。みのりさんに会ったんか。みのりさんなら…泉によくしてくれたはずや。よかった


「鈴が誰かと関わることで、他のことに興味持つのが嫌なんやと思う。どっかいってしまうんちゃうやろかってな。やから監禁されてたし」