愛は惜しみなく与う⑥

あたしの意見をどこまでも聞いて、一緒に頑張ろうとしてくれる泉。

言いづらかったりあたしが傷つくことも、隠さずに教えてくれる。

それを聞いた上で、どうしたいかを聞いてくれる


それは、志木やあたしには出来ないこと。
志木のことを言うけど、あたしも自分のことは1人でなんとかしてしまう癖があるし、誰かを傷つけるくらいなら、隠してやり通してしまう。

頼り方が分からへんねん


頼って傷つけてしまうことを知ってしまったから…余計な


だから、それができる泉は尊敬する



「よし。行こうか」



泉に手を引かれ、馬鹿でかい屋敷を出る
いよいよや。そう意気込む。
緊張もしてるけど、それよりも何か違う感情が芽生えてる。


すると目の前に突然母上が現れた
びっくりした…!


「鈴ちゃん!冬馬さんによろしく伝えてね」

「ええ、勿論です」

「……あなた、鈴ちゃんに何かあったら、この世から消すからね」


母上は後ろで一歩下がり待っている泉を、睨みつけながら言う。

なんちゅー物騒なことをゆうてるんや!


「……承知致しました」


お腹辺りで腕を曲げ、泉はペコリと母上に頭を下げた。