愛は惜しみなく与う⑥

いつも1番にあたしのこと考えて行動してくれる志木。
でもあたしは時々それが怖かった。

知らないところで志木があたしを守ることが怖かったし、寂しかった。


守る対象じゃなくて、一緒に闘ってほしかった。

だから凄く今は、泣きそうなくらい嬉しい


そうやって力強く送り出してくれることが、どれだけあたしの力になるか。
志木が待ってくれてるって、凄いねんで?凄いパワー漲ってくるねんで?

志木が待つ場所にちゃんと帰りたいから



「いつ会えるん?」

『……そうですね。それは今夜話しましょうか。ですから…ちゃんと連絡してきてくださいね』

「うん。わかった。待ってて?行ってくるから」


頑張れる

志木は昔から、あたしの1番の味方や


そのまま電話を切り、涙を手で拭う
泣いてる場合じゃない。今からが闘いや



「杏、大丈夫?」

「うん。大丈夫やで。志木が初めてカッコよく感じたわ」

「初めてって…それ言うなよ?拗ねるぞ」


泉は、ハハっと声を出して笑った。今思えば、志木を変えてくれたのは、泉達なんやろうな