「ますますその泉って奴に会いたくなったわね。どんな奴なのか期待しちゃうんだけど」
美奈子は俺をハグしたまま話す
どんな奴って…
「泉は強いよ」
「あたしらは、杏を知ってるからねぇ〜」
「じゃ、杏と同じくらい強い」
だからみんな付いてきたんだ。
「あの、いいですか?大事な杏様のご友人に手だけは出さないでくださいね」
「あらやだ。志木の唾付き?やーね」
「嫌な言い方すんなよ!」
スッと美奈子は離れる
本当に調子が狂う。いや、違うな。いつもの調子で話せてるから戸惑ってる。
こんな状況なのに。
今日初めて会ったけど、杏と昔からずっと一緒にいた人達だからさ。
この人たちにも会えて良かったって思える。
「敦子、ノートを見せてもらえますか?」
志木さんは敦子からノートを受け取り、黙ってノートを見た。
俺からも見えるそのノートには、字が沢山書いてある。
そこにサトルの名前や、見たこともない奴らの名前がいっぱい載っていた