愛は惜しみなく与う⑥


「朔、あんた杏のことが好きなの?」

「は?なんだよ、関係ねーだろ?」

「あるわよ。あたし達はあの子が恋愛するのを今か今かと待ち続けたんだから」

「そーやで?杏ちゃん遊びもせんし、彼氏もできひんし、恋愛対象女の子説も浮上してたんやで?」


笑った
どんだけ恋愛してこなかったんだよ


「それにさ?女の子のことサラッと助けてカッコええやん?杏ちゃん性格男前やし。あたしも杏ちゃんになら、抱かれてもよかったわ」


自分の身体を両手で抱きしめるようなジェスチャーをしている敦子
 
頭のおかしいやつばっかだな!


「で、志木は?杏の事はもういいのかよ」


今度は志木さんに矛先が向く。よかった


「そうですね。触りたいとは思いましたけど、抱きたいとまで思った事はないので、家族愛でしたかね」


あ、冗談ですよ?とクスリと笑う
志木さんが言うと冗談なのか本気なのか、わかんねーから!
それに、男が言ったら生々しいから!


「杏ちゃん隙だらけやからなぁ〜喧嘩の時は隙なしやのに、恋愛のガードゆるゆるやから、男は勘違いするんよなぁ」


思い当たる節はある。
あのボディタッチの激しさとかな