愛は惜しみなく与う⑥


「そーやね?杏ちゃん誰かと付き合ってるん?ハーレムやん!なぁ!」

「待て、薔薇の時もハーレムだったろ?」

「昴はイケメンじゃないやーん。この子らみんなイケメンやし、こういうのをハーレムって言うんやで?」


ドンマイ
敦子は語尾にそう付け加えると、昴さんはガクンと項垂れてしまった。
いや、昴さんもイケメンだと思うぞ?ちょっとアホっぽいけど。

あ、俺に言われたくないか


「そうですね、まだ誰とも付き合ってませんね」


黙っていた新はウキウキして話し出す。
この手の話、好きだからなぁ


「ねぇ、君は杏のことが好きなんじゃないの?」

美奈子の視線は響に向く。そして少しビクッとした後に答えた


「杏は姉ちゃんみたいな存在だぞ!付き合いたいと思ってるのは、泉と朔だぞ」


ブーーーーー

飲んでいたお茶を吹き出してしまった。
いや、そんな突然暴露される俺の気持ち!!堪えきれなかったわ!!!

そして俺の吐き出したお茶は、志木さんにぶっかかる…


「貴方って人は…動揺しすぎですよ」


ハンカチでふきふきと自分の顔を拭く志木さん。なんで俺、急に被害者?