愛は惜しみなく与う⑥

そして震える声で


「お、俺…杏じゃなきゃ怖いんだ」


と言った響

もう、可愛いやつだな。杏がここにいたら、圧死するくらい抱きしめられてんぞ


「「やだ、なに、可愛い」」


そんな事もこの2人には通じないのか、ただ盛り上がる。


「おやめなさい。聞いてました?少し距離を取りなさい」


見かねて志木さんが間に入り、興奮気味の女2人をおとなしく座らせる。

うん、響、関西怖いな。後少し頑張ろうな


「杏に会いてぇな」


ポツリと呟く響は、スッと守ってもらえそうな志木さんの背中にくっつく。

俺から見ても可愛い

だからもう、興奮がすごいのなんのって…



「ちょ、ちょっと待って!動揺してきたわ?作戦会議も大事だけど、先に確認したい事があるんだけど、いいかしら?」


美奈子は右手を挙げる


「はい、美奈子さんどうぞ!」


昴さんが指名をすれば、そのまま美奈子は話し出した。何だこれ



「まさかだとは思うけど……誰か杏と付き合ったりしてるのかしら?」


真剣な顔でなにを言うかと思えば…