愛は惜しみなく与う⑥

そんな様子を見ていて、ふと隣をみて気づいた


「響、大丈夫か?」


隣の響の顔色が悪い。忘れてたけど、この狭い密室に女が2人いるもんな。
狭いは失礼だな。でも、密度がすごい。

志木さんも、配慮が足らずすみませんと立ち上がる。


「なになに?どうかしたん?」


敦子は身体を乗り出し響の顔を覗き込む。

カチンコチンに固まった響


「ちょっと、響は女性が苦手で。すみません」


新がスッと響を遠ざける
気を悪くしたかと思ったけど…



「え?なんやって?こいつらを女や思うな!女の見た目をした、、ただのバケモンやで?見たやろ?武器振り回して、笑いながら喧嘩する姿」


昴さんは腹を抱えて笑っている。陽気で何よりだよ。
そんな昴さんには目もくれず、2人は響を見つめたまま


「えーー勿体ない。モテそうやのに。お姉さんたちで慣れる練習する?」

「いいわね。たまには歳下の可愛い子を相手するのもいいかもしれない」


関東だと基本的に、女性が苦手だと伝えれば、ごめん、そうだったんだ…とか、何故か謝られるのが殆どなんだけど…

このグイグイは、関西人のノリなのか!?


「どう?どっちがいい?」


お構いなしで響を覗き込む2人
すげぇな、おい