愛は惜しみなく与う⑥


「騙していてすみません。杏様を好いている貴方達だからこそ、言えませんでした。こんな形でお伝えすることにって、本当に申し訳ございません」


正座のまま深々と頭を下げる志木さん

俺は…


俺たちは、志木さんも救ってやらないといけない。
1人で責任を感じている志木さんに、選んだ選択肢は間違いじゃないよって、言ってやらなきゃいけない


「ハーイ、ストップ!お前が話すと、この世の終わりくらいまで暗くなるな!お通夜かよ!杏は生きてる!それでいいだろ?今から出来ることあるやん!だからみんなしてこうやって集まったんや。

これからの事を話そうや」



昴さんは大人だな

それに、志木さんの500倍明るい
志木さんはジトジトしてる



「そうだよね。これからの事を考えよう。俺たちも出来る事はなんでもしますから」


慧は笑顔でそう言った


そうだな
そのために来たんだから



「ほな、杏ちゃん奪還作戦、考えよーう」


敦子はバカでかい声でそう言うと、昴さんの部屋に響きわたり、そして…

隣の部屋から「うるさい」と壁ドンされ、昴さんは、敦子の口を手で覆った。


やれやれ

西は俺たちよりも、キャラが濃いな

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