「なんかね?志木くんが頑張って作戦考えて書いてくれたのに、杏ちゃんが1日、日記を皆んなに渡すのを忘れて、結局その作戦、杏ちゃんしか読まずに抗争が始まっちゃったりね?」
ありましたね、そんな事。
杏様が作戦をノートにかけと言うから書いたのに、他の人に見せずに家の机に置きっぱなし。
ありました
楽しかった
「お前ら、ほんとに楽しそうに話すな」
朔さんは私たちを見て笑っていた。
そんなこと言う朔さん達も、出会ってから短いですが、杏様との話をするときは、みんな楽しそうですよ
「そう!それでね?言いたい事は、これやねん」
敦子はそのノートをグイッと私に押し付けるようにして渡してくる。
この薔薇日記の8冊目
一番最後の内容は、杏様と敦子の卒業パーティーの準備のことで止まっていました。
あの卒業式の日に…
事件があって
そこからこの日記は誰のもとにあったのか、考えたこともありませんでした



