愛は惜しみなく与う⑥


「あんな事に?あんな事になったのは、お姉ちゃんのせいでしょ?」


突然鈴は自分の手を見つめて、何かに取り憑かれたかのように呟いた


お姉ちゃんのせいだと


「お姉ちゃんが私を陥れたの!お姉ちゃんのせいで私は…汚れたの。お姉ちゃんは私が嫌いだったんだよ。心のどこかできっと、私の事馬鹿にしてた!!お姉ちゃんが…お姉ちゃんがあの男達を差し向けたって…サトルが教えてくれたの」


泣きながら話す鈴
殆ど何を言ってるか分からない
どういうことか理解するのも難しい


ただ一つ言えるのは



「杏様は貴方のことを大事にしていました。貴方のことを自慢の妹だっていつも言ってました。貴方だって知ってるでしょう!!」


鈴だって杏様を慕っていた
どんなワガママを鈴が言っても、呆れながらも必ず杏様は鈴の相手をしてあげていました。

鈴も分かってるはずです


なのに鈴は…


「私もお姉ちゃんのことが好きだったのに…信じてたのに……先に裏切ったのはお姉ちゃんだもん!!!」