愛は惜しみなく与う⑥

「あたしのことは?どこが好き?」

会話の意図が掴めない


「……腹黒さを隠しきれてないところですかね」


「ほんと、志木だけよ?そんなこと言うの。志木も腹黒いから分かっちゃうんだね。お姉ちゃんなんて、あたしのこと天使か何かだと思ってるんじゃない?」


自分で天使という鈴
そうでした。鈴は本当にこんな感じ。わたしには誤魔化せないと思っていたのか、ワガママも多かったですが

可愛いと自覚してると、いつも言っていた


「あたし、志木が好きだったの」

「ええ、知ってます」

「でも志木は、お姉ちゃんの事しか頭にないでしょ?失恋したの」

「告白もされてないですけどね」

「したわよ!ふざけたこと言ってないで早く寝ろって流したのよ?」

「……それは失礼しました」


はぁ、やんなっちゃう

そう言って鈴は、私の少し前を歩き、本当に散歩のようにゆっくりと歩みを進める


「志木はどこまで知ってるの?」

「……貴方がサトルのこと好きで、一緒になって杏様を騙してたってところですかね」


詳しくは分かってませんけどね。