愛は惜しみなく与う⑥


「てゆうか、妹にあったら、殺しちゃいそうやなぁ」


敦子ちゃんはニコニコ笑ったまま物騒なことを言う。でも、目が本気…


「せやな。俺らはな、杏の妹と何度も会ってるんや。杏が倉庫に連れてきた事もあったしな?その辺のガキとちゃうのは分かってた。でも杏が可愛がってるからさ?俺らも可愛いがったよ。でもさ?」


昴さんは小さな声で言った


杏を傷つけたなら、俺らからすれば妹もサトルと同じくらい憎いよ


そう言う

そうだよね。被害者だとしても…



「私は女で、性格も悪いからねぇ〜妹の気持ちがわからないでもないわね。好きな人と一緒にいるためにしたことだから」

「うっそ!美奈子ちゃんって、そんな腹黒かったっけ?ただ性格悪いだけじゃなく?」

「敦子、しばくわよ?だって考えても見なさいよ。妹からすれば、ただただ家の事を放って、駆け落ちしたかったってことでしょ?よくあるじゃない」

「でもでも!それなら杏ちゃんに死んだ振りとかせんで良かったやん?普通に駆け落ちすればいい。杏ちゃんを苦しめることせんでええやん…」