俺たちの話を3人はただ目に涙を浮かべながら、笑ったり悲しんだり怒ったりしながら聴いてくれた
「あの子はどこいっても愛されるわね」
「杏ちゃんだもん」
「ほんまに杏は…優しい子やな」
だめだ。もらい泣きする
そして昴さんは呟いた
「なんで俺たち、あのときスコーピオンに負けてしもたんやろ。あんとき勝ってれば…杏がこんな思いせんで済んだのに」
杏ちゃんが話してくれた、スコーピオンと薔薇の話。
「はじめて、杏ちゃんがあたしたちを頼ってきた。いつも強くて元気で、みんなを守ってくれた杏ちゃんがさ?初めて泣いててん。初めてあたしたちに泣きながら助けてほしいって縋ってきた。
やのにあたしたちは、負けてしまった」
「あの子の頼みなんて、最初で最後だったと思う。本当に…なんであの時…勝てなかったんだろ!!!私達が負けたから…あんな風に解散するって言わせてしまった。これ以上、私達に被害が及ばないように…あの子はまた自らを犠牲にして、私達を守った…」
苦しいよね
悔しいよね
俺たちなんて、最後頼ってもらえなかった
だからここに来たんだ



